イく、の後が辛い。は整わない呼吸に肩を揺らしながら、ギルベルトを見上げる。昨日も
そうだったが、ギルベルトはやめてと叫んでも手を止めてくれることはないし、意地悪をするけれ
ど、イった後のへはとても優しいし、慮ってくれる。
ゆっくりと空気が吸えるようになってくると、は深呼吸をして呼吸を落ち着けた。
するとギルベルトがそれを確認して昨日酷い痛みが走ったその場所を指でなぞる。途端に
は眉を寄せ、表情を歪めた。
「痛、いた、!」
粘着質の液体の感触と、引き攣れるような痛みだ。じくじくと朝起きたときからずっと痛んでい
たが、触られるとそれが増す、
「やっぱ昨日の今日じゃ無理か、」
ギルベルトはうーんと困ったような顔をした。はきょとんとして彼を見上げ、それから下
に目をやって、ギルベルトの雄にどきりとする。昨日も見たけれど、なかなかセンセーショナルな
物だった。はそれを見たことが一度もなかったから。
顔を赤くしては別の場所を向く。すると何を見ていたか分かったんだろう、ギルベルトは
身を起こして、の手を引っ張った。も引きずられるように体を起こす。恥ずかしいの
でそのあたりにあったタオルケットで自分の体を隠した。
「なんだ、そんな珍しいか?」
ギルベルトが尋ねる。人の股間を見るのは複雑だし恥ずかしいのは分かっているが、興味があっ
てはギルベルトのそれをじっと見てしまった。
「どうせいられねぇし、良いか。」
ギルベルトはぽつりと言っての手を掴む。
「触ってみろよ。」
「へ、」
「ほら、」
は促されてびくびくしながら、ギルベルトのそれにおそるおそる手を伸ばす。勃ち上がっ
た彼に手を触れると、ぴくりとそれは反応した。
「うご、いた…」
がギルベルトを見上げると、彼は本当に戸惑うような顔をしていて、頭を掻いて大きく息
を吐いた。こんなに大きいような小さいような何とも言えない物が自分の中に入っていたと思うと
もの凄く不思議だ。
「どうせ抜かないといけないしな。、ちょっと手を貸せよ。」
彼の物を掴んだままの手にギルベルトの手が重ねられ上下に擦る。すると彼が熱い息を吐いた。
「あ、あの、」
「っ、なんだ?」
「どうすれば、良いんですか?」
はギルベルトを見上げて尋ねる。
痛くて出来ないのは自分のせいだし、して欲しいのなら、やり方を知らないし、教えて欲しい。
昨日の夜だって結局は気付かぬ間に気絶して眠ってしまったし、任せっぱなしだったので、
何か出来ることがあるのだったら知りたかった。
「無理しなくて良いぜ。別に。」
「そんなに、難しいことなんですか?」
「いや、難しくはないけどな。」
「だったら、わたしだってして、…あげたいです。」
はしたないことを言っているのが分かって俯きながらそう言うと、ぐしゃりと頭を撫でられた。
顔を上げるとギルベルトが少し顔を赤くして笑っていた。
「仕方ねぇなぁ。ちょっと来いよ。」
ギルベルトはを抱き上げ、ベッドの端に座り、足の間の絨毯の所にをおろす。
はタオルケットで体を包んだまま、彼に促されるままに彼の物を手で握る。すると徐々に
先の方からぬるりとした液体が出てきた。昨日自分のお腹にはき出された物と同じなのだろうか。
手の中でたまにぴくぴくと動くから少し戸惑うが、擦ればギルベルトがそっと頭を撫でてくれた
「くわえろ。」
「え、」
「舐めろってことだよ。」
言われて、はギルベルトの物を見る。おそるおそる手で支えて、先っぽを口に含む。ぬる
りとした液体の生臭くて何とも言い難い苦い味が口に広がって、むせた。
「けほっ、」
「だっ、大丈夫か?無理すんなよ。無理なら俺、1人でするから良いんだぜ。」
ギルベルトがが咳き込むのに慌てて手をあわあわさせるが、は首を振る。
「だ、大丈夫です。」
タオルケットで口を拭いて、もう一度慎重に口に含む。分かっていれば我慢できない物ではなか
った。口の中で舌を出して先っぽをぺろりとなめると、彼がびくりと震えた。
「あっ、もうちょっと、奥に、」
ギルベルトが小さな声を漏らして、の頭をぐっと押す。どうやら深くくわえてほしいという
ことらしい。口の中に彼の物がすべてはいるとは思えなかったが、限界まで一気に口の中に入れ
る。喉に引っかかって少し痛くて、喉が苦しくて舌を動かすと、口の中が波打つ感覚が気持ち良か
ったのかギルベルトは呻いた。
「はっ、そのまま、上下に、動かせっ、」
ギルベルトが苦しそうに言う。多分、良いのだろう。
は言われたとおり、口に含んだまま口をゆっくりと上下に動かす。唾液を絡めれば滑りが
良くなって、少し顎が痛いけれどどうにかなりそうだった。
「う、くっ、うぐ、」
自分の唾液と混ざった苦みが喉に引っかかって苦しい。涙目になりながらも、やっぱりギルベル
トに気持ち良くなって欲しくて、続ける。
「あ、はっ、う、こっち、見ろよっ、」
僅かにこわばった手がの頭を撫でて、促す。はギルベルトを上目使いで見上げた。
緋色の瞳はいつもより水のような、何かの膜が張っていて快楽に揺れている。ギルベルトは
が自分の方を見たのを確認すると、嗜虐的に唇をつり上げて笑った。の髪を撫でていた手
が、髪をぎゅっとわしづかみにする。少し痛い。
「っ、出る、」
自分の口の中にあるギルベルトのものが、膨らんだ気がした。それと同時に彼はの頭を押
えて自分のものをの喉奥まで押し込んだ。むせかえりそうで抵抗しようとしたが、後頭部を
押える彼の手はを離してくれそうになかった。喉に熱い液体が広がり、苦しさにはき
つく目を閉じた。口いっぱいに苦い液体が広がる。
「はっ、ぁ、」
ギルベルトは宙を仰いで余韻に浸って、はたりと我に返ったのか慌てての後頭部を押えて
いた手を離す。
「かっは、けほっ、うぅ、」
呑み込みきれなかった液体が口から溢れて、は慌てて口を手で覆った。はき出すなど汚い
からと必死になって呑み込もうと努力するが、苦いし、変な臭いがあるし、呑み込むことも出来ず
あげく吐き気がこみ上げてきて、涙目になった。
「わ、悪ぃ、馬鹿、はき出せっ!」
あまりにが苦しそうにしているため、ギルベルトが慌てた様子で言って、ハンカチを取り
出してくる。しかしはき出すことも出来ず、結局はそれを呑み込んだ。鉛でも呑み込んだよ
うな不快感には胸が重くなるのを感じた。
「の、飲んだのか?」
ギルベルトが心配そうにの顔をのぞき込む。一応頷いてげほげほとそれでもむせている
を見て、サイドテーブルにあった水差しの水をコップに入れて渡してくれた。はそれを
受け取って不快感を水で流し込む。するとやっと落ち着く。何やらギルベルトの足の間で倒れそう
な虚脱感に襲われた。なんだか、眠たい。
「ありがとな。」
ギルベルトはの頭を優しく撫でてくれる。は引き寄せられるように目の前にあるギ
ルベルトの膝に頭を置いて目を閉じた。
さながらの蜜