は棒きれで地面に地図を書いていく。

 湖と研究所の正確な地図。忍びの配置、動き。自分たちのいる場所。





 透先眼で読み取ったすべてを記していく。




 すると一カ所、相手の忍びたちの動きが重なる場所がある。

 おそらくそこに結界の媒介があるのだろう。









「そうだな。班を二つに分け、媒介の破壊と忍の陽動及び結界が破れた後の進入、というのが妥当だろう。」









 イタチは湖の端に位置するへこんだ場所を指さす。



 忍びたちはここを守りたいのだ。




 研究所に入るには必ずここにある媒介を破壊しなくてはならない。

 でないとすぐに結界は再生し、入るのは危険だ。










「イタチとは媒体の破壊。がいないと結界は破壊できないからね。イタチは援護。オレは・・・囮役が適任だ
ね。」








 カカシがイタチの案に頷いて、残りの三人をみる。

 この場合囮は一瞬で後は隠れ、結界が破れた際の研究所侵入にチャクラと体力を温存する。




 研究所の中に進入してしまえば、それほどの苦はないと思う。



 なら、戦力はとイタチにさいた方が良いだろう。

 がやられてしまえば結界は解けないし、任務遂行は不可能となる。









「う〜ん、サスケにはたちといってもらおうかな。」








 考えた末、カカシはサスケに目を向ける。

 だが、イタチは表情を険しくする。









「サスケですか?」








 イタチと、そしてサスケは同じ炎の性質変化を持つ。



 性質変化の偏りはさける。

 それは暗部の常識だ。




 知らないサスケは実力不足を指摘されたのかと、俯き、ぐっと奥歯をかみしめる。







「まぁね。でもナルトは風の性質変化らしいし、の炎をあおっても困るでしょ?」

「・・・それもそうですね。」










 イタチがやっと納得する。







「んー、サスケも一緒なの?」

「いいなぁー、。」










 話の内容がよくわかっていないを、サクラが抱きつきながら羨む。

 はきょとんとして「良いの?」とサクラに問い返した。

 別に反対する風もなければ喜ぶ風もない。








は大丈夫だって!」








 ナルトがの不安を察してか、励ます。





「だってわたしよくこけるもん」

「大丈夫大丈夫、オレの術なんていつでも間違いだらけだってばよ。」

「いや、だめでしょ。」








 サクラが冷ややかにつっこみを入れるがとナルトは屈託なく笑う。

 が落ち着くことが、チャクラ制御の第一歩だ。

 あまり根をを詰めて考えないのが一番。







「じゃあ、イタチとサスケ、は結界の媒介の破壊、オレとナルトとサクラは囮兼研究所への侵入。いいね。」

「はいー、」

「よっしゃ!」










 とナルトがそろって返事をする。 

 そしてはきゅっとイタチの服の袖を握った。








「大丈夫だ、サスケもいる。」








 イタチはの頭をなでながら、サスケを見て何か言うように促す。



 別にイタチはサスケの性格をわかっていないわけではない。

 を好きなことも、それをうまく表現できないだけだ。

 兄弟仲が悪いのは仕方ないとしても、その中にを巻き込みたいとは思わなかった。









「フン・・・・足引っ張るなよ。」









 サスケは不機嫌そうにそっぽを向く。

 本気で言っているのか、それとも照れ隠しか、どのみち









「子供・・・・、」








 イタチはぼそりと端的な感想を述べる。







「あんたには関係ないだろ!!」







 サスケが大きな声で躍起になって叫ぶから、背後のカカシの失笑を買った。




策   ( それは敵を欺き 仲間を守るための 友好的な手段 謀 )