指定された忍者学校の教室301の前には人だかりができていた。

 男が二人たっていて、301の教室に入ろうとするものを止めているのだ。





 しかし、は首を傾げる

 ここは二階だ。

 何が哀しくて201の教室の前に人だかりを作っている。




 に、幻術は通用しない。



 の血継限界である鳳凰扇の化身である白い炎の蝶は、他者のチャクラを焼く。

 の周囲にある幻術のチャクラを焼いているため、は幻術に全くかからない。

 そんな詳しいことは知らないが、サスケはきょとんとしているを横目で確認する。





 そして同じようにサクラにも目を向けた。

 サクラも、気づいているようだ。

 ここは二階だと。








「どうせ受からないものをふるいにかけて何が悪い!!」






 半ば理不尽な理由で二人の男は、扉の前で入ろうとする受験生を蹴り飛ばす。

 サスケはが怯えるかと思ったが、は相変わらずきょとんとしていた。







「あれ?イズモさんとコテツさん???」








 知り合いだったらしい。

 がそうつぶやいた途端、その口を眼前に迫った二人が塞いだ。









ちゃん、それ秘密ね。」

「聞いてないのか?まったく、斎さんは・・・」








 二人は困ったような顔でを注意する。







「通して貰おうか。そしてこの幻術でできた結界をとっとと解いて貰おう・・・・、俺は3階に用があ
るんでな。」







 二人に、サスケがにやりと笑って言う。 

 すると二人はの口を塞いでいた手を放して、サスケを見た。








「ホウ・・・、」

「気づいたのか?」






 二人は楽しそうに笑う。







「ふ〜ん、なかなかやるねェ、でも・・見破っただけじゃあねえっ!!」








 突然、片方の剣を二つ背に携えた男が、サスケにけり出す。

 サスケも応戦しようと足を出した。



 ナルトやサクラ、が息をのむ。



 だが、それは別の手に止められた。

 おかっぱで、なんだか眉毛の太い少年だ。

 先ほどは二人組の男に殴られていたのに、比べものにならない早さで二人を止めた。







「わぉ。」







 が感嘆し、声を漏らす。

 彼はすっとサクラの前まで歩いていって、何故かそこで止まった。








「あのー、サクラさんと言うんですね。ボクの名前はロック・リー。ボクとおつきあいしましょう。死
ぬまで貴方を守りますから。」





 きらりと歯を見せて笑う。



 は顔を赤くし、サクラを見上げる。

 だが、サクラの答えはあっさりしていた。







「絶対イヤ、あんた濃ゆい。」








 その言葉に、リーがうなだれる。








「つきあわないの?」








 が無邪気にサクラに尋ねる。






「あんた、全然顔を気にしてないでしょ。」





 サクラは親友の顔を気にしない性格に嘆息した。



 の許嫁、イタチは顔よし頭よし家柄よしのエリートだ。

 なのには他人の顔の善し悪しに非常に疎い。美醜の区別が人の顔に関して妙に曖昧なのだ

 せっかく美形の許嫁がいるのに、その顔自体をまったく評価していないだろう。




 すこし気の毒だ。

 その向こうでは、何故かサスケとリーのチームメイトの髪が長い少年がにらみ合いをしている。

 二人ともクールなようで、すぐに互いに背を向けた。



 は髪の長い少年の方にも見覚えがあった。



 の父、斎は顔の広い人で、温厚な性格から上下問わずに慕われている。


 そのためよく家に人が遊びに来る。

 もともと身体が弱く家にいる時間が長かったは同年代の知り合いは少ない。

 だが家に来てくれる父の友人達に大人しいは受けがよく、上忍や中忍には知り合いが多かった。





「さあ!サスケ君、ナルト、、行くわよ!」








 なんだかのりのりでサクラが声をかける。

 相手にされなかったナルトはしょげていたが、は中忍や上忍が気になって仕方なく、何度も振り返
る。

 イズモとコテツが、そんなににっこりと笑った。











( 一本の絹などでできた細い紐 人と人とをつなぐ絆 )