「またナルトが罠に落ちた。」



 が呆れたような気のない声でイタチに報告する。

 水色の透先眼は遠目の能力がある。今日はイタチ、、ナルト、サクラの4人である犯罪者を捕まえる任務だ。イタチとは危険な囮役として敵の一部を引きつけ、倒していき、その間にナルト、サクラが親玉を・・という予定だったのだが、どうやらナルトの動きが芳しくないらしい。



「そうか。助けた方良いか?」

「うぅん。サクラが助けた。」

「そうか。」



 イタチはふっと小さく息を吐く。

 当初の予定では敵を引きつけるイタチとは多勢に無勢であるため、時間がかかるだろうから、親玉を捕まえたナルトとサクラは後から二人の援護という予定だったのだ。ところがイタチとの方はあっさりと片付いてしまい、未だにナルトとサクラは戻って来ない。

 まだ手こずっているらしい。



「俺達も行くか?」

「どうせ周りに結界があって、逃げられないよ。」

「そうだな。じゃあ待つか。」



 周囲には結界が貼られているため、ナルトやサクラが手こずったとしても、標的は逃げられない。ならば自分たちの役割は終わっているし、ナルトも流石に死にはしないだろう。待っていても問題はなかった。




「イタチ、体調大丈夫?」




 は心配になって、木にもたれているイタチを見上げる。



「あぁ、問題はない。」



 イタチはこの間結核に羅漢し、肋骨を切り取った。その再生の手術を受けるまでは基本的に肋骨がないので、激しい任務は禁止されている。今回の任務はCランクで別にそれ程難しい物では無いが、は心配だった。



「無理は駄目だよ。」




 はイタチを見上げて言うと、彼は写輪眼で緋色の瞳を瞬いて、の手を引っ張ってを抱き寄せた。




「わっ、」

「そう心配するな。」




 軽くイタチはのこめかみに口づける。



「に、任務中だよ?」



 は震える声でそう言ったが、イタチの側を離れようとはしない。イタチはを抱きしめて、温もりを堪能しながら、ゆっくりと口を開いた。



「良いんだよ。」










内緒話するみたいにくちづけ
( あれ?、顔赤いわよ )