「とつげきー。」
「きゃっ、」
突然の息子からの攻撃に、が後ろ向きに倒れる。
ただ単に息子が腰に突っ込んできただけだったが、勢いがついていた上に腹あたりに突っ込んできたため、支えることも踏ん張ることも出来ずなすがままだ。そのままでは板張りの床にたたきつけられるところだったが、サスケがやってきてを何とか支えた。
その後ろには一緒に夕飯を食べにやってきたナルトがおり、青色の瞳を丸くしていた。
「何やってるんだ!」
サスケの怒声が東の対屋に響き渡る。
「に乱暴するなといつも言っているだろ?」
「だって、このくらいだいじょうぶっておもったもん!」
「チャクラ使っての突撃のどこが大丈夫なんだ!!」
「ちゃくらってなに?ちょっとつよくぶつかっただけだもん。」
稜智はふんっと謝ることもなく、そっぽを向いた。
イタチの教育方針で稜智は忍術はおろか、チャクラの存在すらも教えられていない。けれどそれを無意識のうちに使うため、厄介だった。今回のへの突撃もほんの遊びのつもりだったのだろうが、チャクラまで使って本気で突っ込んでこられては、が倒れるのは当然のことだ。
「なんか、稜智、どんどんすごくなってんな。」
「確かにね。」
3歳半、やんちゃ盛りである。
「これからが、すっごく思いやられる。」
「わかるってばよ。俺もどこまで稜智について行けるか。」
「知ってる?ナルトが稜智の師匠になるかもって話あるんだよ。」
「…まじで。」
特殊な能力を持つ子どもだ。確かにナルトくらい強くなければおもりも出来ないという意味なのだろうが、先が思いやられる。
「ま、良いけどな。稜智可愛いし。」
「顔は可愛いけどね。」
イタチ似で顔立ちは整っているがまだくりくりの黒い瞳が可愛い年頃だ。ただ行動は可愛くない。
「さすけにもとつげき!」
思い切りチャクラを込めて、稜智がサスケに突っ込む。まるで車が突っ込んでいくような速度に、とナルトは呆然としたが、当然サスケの方が上手だ。
「馬鹿か。」
抱きとめるくらい簡単なんだ
( 塗籠で1時間反省な )( えーおやつは? )( 抜きに決まってんだろ )