体が熱くてどうしようもなくなったのは、行為が始まって数分後のことだった。
薬のせいなのか、酒が頭にまで回ってしまったのか、よく分からないがひとまず頭が完全に思考を停止し、体の感覚しか分からない。
「うぅ、あ、ぁ」
股の間をまさぐられるなんてことは、いつもならば恥ずかしくて仕方がないし耐えられないだろうが、今は全く気にならない。マダラが陰核に触れてくる度に思考がすべて停止し、その感覚だけが頭を支配する。
「やっぱり酒を飲ませて正解だったな、」
マダラは陰核に人差し指で触れ、押しつぶす。
「あぁぁぁ!ひっ、」
「濡れてるし、感じられるらしいな。」
経験の浅い女はあまり快感を味わえないので濡れないし、快感を怖がって溺れようとはしない。だが酒と薬のおかげか、は感覚に溺れているし、濡れてもいる。なんだかんだ言っても子どもで経験も浅いので一度溺れてしまうと抜け出せない。
「ん。うぅ、ぁ、あ、」
苦しそうではあるが、溺れきっているには何も分からず、声だけが勝手に溢れるように出てくる。逃れることも出来ず、逃れられる術があるということにすら頭が回らない。
「良い子だ。このまま力を抜いておけよ。」
マダラは涙で塗れた紺色の瞳の目尻に唇を寄せ、彼女の中へ指を滑り込ませる。
「いっ、うぅ、」
僅かにの表情が歪み、反応が変わる。気をつけたつもりだったし、子どもも産んだから大丈夫だろうと思ったが、よく考えれば彼女はアカルを帝王切開したのだった。マダラがを抱いたのも実質的には3日間だけだ。狭いのは当然だった。
マダラは陰核をいじりながら、彼女の中へと指を滑り込ませる。
「大丈夫か?」
「あぁ、いたっ、うぅ、はぁ、あっ、」
少し苦しいようでたまに表情が歪むが、それでも陰核をいじりながらなら何とか中をいじられても平気のようだ。
「気持ちが良いか?」
「ぁ、ぅ、う」
マダラが問うと、は一瞬何を言ったか分からないと言った表情をしたが、意味を理解できるとこくこくと何度も頷いた。マダラは褒美だとでも言うようにの長い髪を撫でてやり、それから指を2本に増やした。
「んん、うぅ、」
途端には眉を寄せる。二本目を入れたまま陰核を探ってみるが、やはり苦しそうだった。
「、力を抜けるか?」
「うぅ、んん。」
ひくりと中が震えて、一瞬広がったがすぐにひくんと収縮した。痙攣するような動きながら、あまり自身が意識して力を抜ける物では無いらしい。それでも今回は濡れているので、何とか2本を動かすことが出来た。
ゆっくりと中を探れば、苦しそうなの表情も徐々にましにはなってくる。軽くくすぐるように浅いところを撫でれば、僅かなりともは感じるようで、つやのある声を出す。
マダラは自分自身を取り出すと、そこになじませるように濡れそぼったそこをまさぐる。
「うぅ、?」
気づいたらしいが不安そうな顔をするが、こればかりは仕方ないので、マダラはくしゃりとを宥めるように髪を撫でてやった。
はそれを見ると、すぐに顔をそらす。
「失礼だな。おまえ。弟がいるんだろう?」
には弟がいる。しかも母は弟が生まれてすぐに亡くなっているはずなので、世話をしたのは彼女のはずだ。年齢の違いはあれ、男の体がどうなっているか知らないわけでもあるまい。
「だ、だって、…」
「嫌なのか?」
「…ち、ちがう、けど、」
語尾が震え、マダラの手をぎゅっと握る。熱に浮かされたの目に、僅かな恐怖が見える。快楽に溺れていたが我に返るほど、前の行為は怖かったらしい。体に力が入り、無意識で腰が引けている。
「あの夜の、やり直しをしたい。」
マダラは涙で揺れている紺色の瞳をまっすぐ見下ろす。
あの夜、はただ痛みと恐怖に泣き叫び、マダラが入れようとして、こうして彼女の目を見た時も、やめてと涙で濡れた瞳で必死に懇願していた。言葉にならない拒絶を無視して踏み込んだのは、マダラ自身も焦っていたからだ。
あれが多分、すべての間違いだったのだろう。
「これから、辛いこともあるだろう。」
うちは一族は戦いって生きてきた一族だ。閉じこもり、守って生きてきた蒼一族とは根本的に違う。そのために彼女が傷つくこともあるかも知れない。本質的に違う一族の出身であるが傷つくことは沢山あるだろう。
戦いの中で守るなんてことは、戦いの本質を知るマダラは言えない。だからマダラが言えることは一つだけだ。
「俺は、おまえが好きだ。」
言おうとして、あの夜言わなかった言葉を口にする。は目を丸くして、小さく頷いた。
「うん。わたし、も。」
きっと、もっと素直にそう口にしていれば、お互いに通じ合うものがあったのだろう。あんな辛い痛みを味あわなくて済んだのかも知れない。だからもそう返して、小さく息を吐く。
マダラは陰核を軽く自分のそれですって刺激してから、僅かに力が抜けたところでゆっくりと彼女の中に入る。11ヶ月ぶりの彼女の中は狭くて、浅い場所で亀頭が止まり、そこから進まない。無理矢理推し進めようとすると、彼女の表情が歪んだ。
どのみち長引けば苦しむのは彼女で、回数を重ねて慣れなければいけないのだろう。の目尻に浮かぶ涙をなめとって、彼女の足を先ほどより開かせ、自分をねじ込むように中へと入れる。先が入れば、ずるりと後は難なく中へと入った。
「あぁ、ひっぅ!!」
前と違い、は大きな悲鳴を上げなかったが、苦しそうに唇を噛んで声を殺した。熱に浮かされていてもかなり痛みは感じるらしい。濡れているためきつくても動かせないことはないが、眉間に皺が寄るほどきつく目を閉じているを見下ろして、その気が失せた。
マダラは彼女の頭の隣に肘をつき、に口づける。すると彼女はやっと紺色の瞳を開き、おずおずと怖がるようにマダラを見上げた。
「痛いか?」
「ま、まえ、よりは、いたくない、」
返ってくる声は一生懸命痛いというのを我慢していると完全に言っていた。彼女のように当たる勘のないマダラでも分かる。だが、どうせこのままでは終われないのだから、長引かせるよりも彼女に我慢してもらうしかあるまい。
「っ、悪い、な、」
「…うん、」
何となく理解したのか、は少し泣きそうな顔をしながら、ぎゅっとマダラの手を握り、爪を立てる。だがその手を、マダラは自分の背中へと導いた。
「少し、我慢しろ、」
はその言葉に応えるように、マダラの背中に爪を立てる。
マダラは動けば、の爪が背中に食い込む。その僅かな痛みはマダラの快楽を煽ることを邪魔することはなかった。自分を狭い彼女の中に押し込み、引き出す。それを繰り返せばは痛いのか苦しそうに呻いたが、苦しみ故にきつく締め付けてくる中がマダラの限界をもたらすのにそれ程時間はかからなかった。
「くっ、ん」
出す寸前に引き抜き、腹の上に吐き出す。
もう子どもは一人いる。確かに嫡男は必要なのだろうが、それは後で良いだろう。しばらくはにも体を休ませてやりたいし、うちは一族になれることを重視して欲しい。
「わ、た?」
終わった?とが掠れた声で尋ねるから、マダラは倦怠感に身を委ねたい心を叱咤して、答えの代わりにの髪に手を伸ばし、撫でてやった。
倒れ込むようにの隣に体を横たえると、がマダラに手を伸ばし、逆にマダラの髪を撫でる。小さな手に頭を撫でられるのは不思議な気分だったが、悪い物では無かった。
立てられた爪さえいとしい