「へぇ、間近で見るとやっぱりハンサムねぇ。」




 水影の照美メイは雷影の次の日にうちは邸にやってきて、サスケに言った。




「…」





 サスケは疎ましさのあまりに眉を寄せる。

 基本的にうるさい、女は大嫌いだ。ちなみに実は年上も好みでなかった。過去形なのは、が実は自分より年上だからである。彼女は兄であるイタチの恋人であり、サスケより1つ二つ年上だった。もちろん生年月日が未だによく分からないというか、彼女自身が知らないので何とも言えないが、少なくとも一つは間違いなく年上であるからだ。

 とはいえ、を年上だと思ったことは一度もないのだが。





「うん。こっちも間近で見ると可愛いわ。そこのを助けた時の表情もぞくぞくしたけど、今の方がちっちゃくて可愛いわね。」





 メイはにっこりと笑って萎縮するに話しかけた。





「こ、こんにちは。」





 は萎縮したまま、不安そうに頭を下げる。柔らかそうな座布団に座っているはおどおどしている。前会った時のように強い瞳はなく、不安そうに目尻を下げている姿と、前見た五影を制するほどの戦いぶりや死闘とは結びつかない。




「ふぅん。意外だったわ。案外可愛らしい感じ。それも控えめ。」




 水影の方はとサスケを見比べて、小首を傾げる。

 戦いの合間にの影分身を見ているが、個人的にに会うのは初めてだ。性格の問題となればなおさら知るはずもない。むしろ戦いぶりや強さ、分析力の高さからもっと大人びた、サスケを守ろうとする大人の女性をイメージしていた。

 だが戦わない、ただ部屋に座って茶菓子を待っている彼女の容姿は幼げで、しかも随分と気弱そうだ。これは予想外だった。





「年下が好みだったとは。残念だわ。」





 メイはサスケのことを良い男〔顔が〕とは思っていたらしく、また彼女自身も婚期が遅れていることがあり、どうやら羨ましかったらしい。唇に人差し指を当ててを見下ろす。




「年下が好みだったとは。」

はオレより年上だ。」





 一応間違いを正すように、サスケが主張する。





「え?貴方いくつよ。」

「今年で18歳になる。の正確な年齢はには分からないが、逆算するに20歳前後だ。」

「うそぉ?」




 サスケの答えにメイはもう一度の顔を見つめる。だがどう見ても納得出来る答えがの容姿から見つかりそうにはなかった。


年かさ