ちょっとした裏話。どうでも良い設定メモ。
 ギルベルトがそもそもユリアとの結婚を望んだ。

 プロイセン国王としてフリードリヒはそれに沿って婚約をアプブラウゼン侯爵に命令、と同時にユリアがフォンデンブローにいることを理解すると老公爵に婚約の申し出を出した。

 フォンデンブローの老公爵はユリアを嫁がす時に、既に後継者の最有力候補であることを、フリードリヒに伝えている。

 ちなみに、ギルベルトはユリアの顔を一度も見たことがなかった。


 つまらない設定メモです。

 ユリアとギルベルトの第一公子(公太子)の本名はフリードリヒ・ユリウス・フォン・フォンデンブロー=バイルシュミット。

 呼称はフリッツ・ユーリ。

 第一公女はアーデルハイト・ヴィクトリア、呼称はアーディである。

 ユリウスの乳母はイギリス人で元はフォンデンブロー公国あるとシュタイン元帥の遠縁である元フェージリアーズ伯爵夫人ルイーズで、彼女の夫はアメリカ大陸でフランスとの戦争においてなくなっている。

 女官のエミーリはフォンデンブロー公国の北に領地を持つ家柄。

 子連れでプロイセン人の夫に嫁いでいたが、離婚した。

 アーデルハイトの乳母は、アガートラームの戦争の折に出てきたアウグスト・フォン・クライスト伯爵の令嬢で、プロイセンの将校であるランツフート男爵の夫人アウグステである。

 どうでも良いことだが、ユリアの称号はHerzogin von Vondenbrauフォンデンブロー女公およびHerzogin von Beilschmidtバイルシュミット公爵夫人である。

 結婚前はFurstin von Abblausenアプブラウゼン侯爵令嬢、フォンデンブロー公女となってからはHerzogin von Vondenbrauフォンデンブロー公女およびFurstin von Neuerufenノイエルーフェン女侯である。

 ちなみにノイエルーフェン侯爵はフォンデンブロー公太子(次期後継者)の儀礼称号で、ユリアの前のノイエルーフェン侯爵位の保持者は当然カール・ヴィルヘルム公子である。

 またユリアがフォンデンブロー女公となってからはノイエルーフェン侯爵位はしばし不在だったが、ユリウスが生まれてからは、ノイエルーフェン侯爵位の保持者は次期後継者のユリウスである。

 ギルベルトが主人公の妊娠を恐れる描写がありますが、この時代の女性の寿命が低い原因の一端を担ったのが『出産』。

 子だくさんで有名なフリードリヒ2世の母ゾフィー・ドロテアも14人の子供を産みましたが、育ったのは実質的には10人。

 幼児死亡率が高いので、マリア・テレジアも16人産んで、育ったのは10人。

 マリア・テレジアの妹はあまり知られていないが、マリア・テレジアの夫フランツの弟と結婚していていた。

 ただし彼女も、子供の出産と一緒に亡くなった。

 ちなみにゾフィー・ドロテアとマリア・テレジアの例はかなり良い方の例である。 

 主人公がフリードリヒがいても緊張せずに話せるようになったのは婚約から一年後くらいである。

 カール公子はマリア・アマーリアの死後、当初はユリアを引き取る気はなかった。

 父親が娘の身柄を持つのは当時は当然のことだったからだ。

 しかし、葬儀にやってきたにもかかわらずアプブラウゼン侯爵がユリアをつれて帰らず残されていたため、流石に放り出して帰るなんてことも出来ず、連れて帰った。

 ただその時から、フォンデンブロー公爵とも話し合い、何があってもユリアをアプブラウゼン侯爵領には返さないと言うことを決めていた。

 そのため、フォンデンブロー公爵はカール公子の死後もユリアをフォンデンブローの宮殿にとどめ続けた。

 不義の子であれば酷い扱いを…という拍手コメがあったが、まぁ大貴族ならそうでもない時もあった、と言うのも大貴族なら不義の子でも爵位が与えられることが多かった。

 もちろん嫡子には劣るが、不義の子だと分かっていても公然と認知することもあった。

 例えばロシア皇帝アレクサンドル二世(1818年―1881年)の皇后マリア・アレクサンドロブナは公式にはヘッセン大公ルートヴィヒ2世の妃ヴィルヘルミーネの娘だった。

 しかし彼女と下の兄は他の兄姉とは父親が違い、実際の父親はヴィルヘルミーネの愛人だったと言われている。
 ちなみに余談だが、アレクサンドル二世の母親はプロイセン王女である。

 ギルベルトが本当に主人公を好きだなと本気で気づき始めたのはsatz1−11あたりから。

 ちなみに主人公の方はどちらかというと、好きになったと言うよりも、キスとかをされるので彼を意識しだした、と言うのが正解。

 正直、「あぁ、この人ちょっと粗暴だけど優しい人だな、」みたいな、印象を持っていただけだった。

 フォンデンブロー公国のシュベーアト将軍や臣下は当然ユリアの存在は知っていたし、予想していなかったわけではなかったが、それでも公爵がユリアを公太子(後継者)に決定した時は、流石に、
 
 
 
  「あの暗いチビっ子が…・!?」
 
 

   と一抹の不安に駆られた。
 
   アルトシュタイン将軍は年齢のことから引退をしていたが、それでも帰って来るほど、フォンデンブロー公国の行く末が、と言うか、ユリアの行く末が不安になった。
 
   
 アプブラウゼン侯爵は本気で主人公の母が好きだった。
 
   しかし結婚してみると邪険に扱われるは、妻は浮気するわ、挙げ句浮気相手と子供を作り、離縁したがるはで大変な目に遭った。
 
   でもそれでも好きだったので結婚契約は継続していたが、結局妻に自殺された。
 
   当然浮気相手の子供である主人公を愛することは出来なかった。
 
   本当はすごく気の毒な人。
 
 
 主人公の母マリア・アマーリアはフォンデンブロー公女だったが、アプブラウゼン侯爵と結婚する羽目になった。
 
   実は結婚してからイギリス人貴族が好きになって浮気をしたため、ヒルダにあばずれと言われるだけの原因は一応ある。
 
   落ち込むと酷かったが、気は弱くなかった。そして思い切りが良すぎたために浮気相手と子供を作った。

 本当はそれによって離縁したかったが、アプブラウゼン侯爵も本気でマリアのことが好きだったため、そうしなかった。
 
   そして泥沼戦争が始まることになる。
 
 
 フリードリヒは最初からフォンデンブロー公国においての主人公の継承権を狙っていた。笑
 
   ギルベルトはそんなことはどうでも良かった。
 
 
 ギルベルトは主人公を最初に見た時、「こいつ暗っ!」と思ったが持ち前の明るさで、わざと気にしないことにした。
 
   ただし、微妙にギルベルトも繊細なところがあるので、空気を読んでうまく彼女が嫌いそうな所は避けていた。
 
 
 カール公子、イメージは金髪碧眼の無表情な人。
 
   別に主人公が特別好きというわけではなかったが、自分の又従妹には後見人がないし、同族だし、最初に上げられたヒルダが嫌いだったため、よく見かける年の離れた又従妹に白羽の矢を立てた。
 
   この時代にありがちな同族が良かったと言うだけの話。
 
   年の離れた又従妹を嫌う理由もないし、邪険に扱う必要もないので、普通に扱ったらユリアに気に入られた。笑
 
   弟妹もいなかったため、ユリアに対しては婚約者というよりは妹の気分だったので、結婚した時のことは全く考えていなかった人。
 
   ちなみにヒルダが嫌いだった理由は、うるさくて気が強かったから。
 
 
 比較的読者から悪役扱いされているヒルダ(主人公の姉)だが、彼女は結構気の毒。
 
   父のアプブラウゼン侯爵がユリアの母親マリア・アマーリアに惚れたため、母親は離縁。
 
   なんとか自分たちの廃嫡は免れたが、婚約者を妹にとられるという悲劇。
 
   本当にカール公子が好きだった。
 
   挙げ句殺されてしまうと言う…・わたしの中では本当に救いようなく気の毒な人。
 
 
 フリードリヒと王妃エリーザベトは不仲で有名。
 
   彼女はほとんど別の宮殿にいて、フリードリヒに放って置かれていたが、非常に教養深い女性だったと言われる。超気の毒。
 
   ちなみに次の後継者はフリードリヒの弟王子アウグストだったが、彼はフリードリヒより早く死んだため、アウグストの息子であるフリードリヒ・ヴィルヘルム2世が継ぐことになる。
 
   ちなみにアウグスト王子の妃はエリーザベト王妃の妹で、エリーザベト王妃は姉妹でプロイセンに嫁いできた。
 
   おうちはオーストリアの元帥でもあった家柄、ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル家。
 
   この時代から、プロイセンに従うようになる。
 
   ちなみにマリア・テレジアの母親も、同じ家の出身だったりする。
 
   要するに親戚同士で敵味方して、大げんかしていたということ。
 
 
 当初主人公は行くところがないので、どんな扱いをされるかとギルベルトの所に来てからも怯えていたが、案外放って置かれて驚いた。
 
   ただ、あまりに放って置かれて楽だったため、「あれ?ここってフォンデンブローより居心地よくね?」と思うようになった。
 
   ついでにギルベルトがいなかったことが幸いし、気兼ねせず屋敷内をふらふら歩き回ることになったため、使用人と親しくなって、それなりにギルベルトいない生活を楽しんでいた。
 
 
 この時代、混沌としていたため、プロイセン王国の配下にある例えばメクレンブルク=シュトレーリッツ公爵が王の命令に背いて徴兵を拒否、オーストリアに駆け込むなんてこともあった。
 
   
 フリードリヒは当初、正直ユリアのことが嫌いだった。
 
   史実でも女性軽視の発言のためにポンパドゥール夫人(フランス国王の愛妾)を敵に回したと言われているが、才能ある人間を好むため、俯いてばかりの暗いユリアを正直嫌っていた。
 
   それが代わり始めるのはピアノなどユリアが教養を見せ始めてから。
 

 ユリアは12歳の母の死からフォンデンブロー公国のヴァッヘン宮殿に住んでいた。
 
   ただし、14歳になる頃カール公子が戦死したため、それからはいつ追い出されるかと怯えながら泣いて暮らしているような状態だった。
 
   そのため、婚約の話を聞かされた時は青天の霹靂ながらもあっさりと従った。
 
 
 ギルベルトが最初に主人公と婚約したのは後見の意味合いが強く、彼女の血筋など何ら知らなかったし、カール公子の言うことは死に際の詭弁だと思っていたため、身寄りがない女だと思って期待していなかった。
 
   正直手を出す気は全くなく、好きな人が彼女に出来たら下げ渡そうかな〜とか思っていた。
 
   ちなみに、フリードリヒの方は血筋のことも含めて、全部知っていたため、「こいつ戦略的に真面目に考えてるな」と思っていた。笑
 
 
 ユリア、フォンデンブローは完全なる思いつきだが、首都のヴァッヘンは現実Wachenの意味から。
 
   アルトシュタイン元帥はAltestein 古い石。
 
   シュベーアト将軍のシュベーアトSchwert、テンペルホーフTempelhof、シェンク schenkはいずれもプロイセン、およびドイツの有名貴族、軍人貴族家名から。
 
 
ちょっとした思いつきに近いおまけと、記録